28日のブログ

毎月28日に更新します。

トゥトゥトゥサークル

 

当たり前の存在になりすぎて、それを初めて観た時の記憶が全く思い出せない。

内容は全て記憶しているし、今ここでやってみてと頼まれたら1人3役で完全再現することも可能である。

今や私の血肉となり、魂と共存する命の源泉-。

 

 

「トゥトゥトゥサークル」はロバートのコントの代表作と言っても過言ではない。

いや、他にも名作はたくさんある。CMソングを収録する兄弟も好きだし、健康診断の結果を聞くやつも最高だ。

でも一定のクオリティを保ち、いつ観ても楽しい気持ちになるものがこれ以外に見つからない。

いわばテーマパークのようなコント、それがトゥトゥトゥサークルである。

 

 

数年前、劇場で観た時はとても感動した。

「とても感動した」というありふれた言葉しか思いつかない自分に腹が立つ。

思い出すと身体が震え鳥肌が立つ、感動レベルとしてはそれくらいだ。

 

 

それは男性とのデートでルミネtheよしもとへ行った時のことだった。

相手は割と知り合ったばかりの方で、私が吉本のお笑いライブへ行っているという話に興味を持ってくれたようで一緒に行くことになった。

デートの口実としてはありがちな感じですよね。

 

 

お互いの空いている日・公演の空席数・初めて行く人でも楽しめそうな出演者など、考慮すべきことは多かったが大変ではなかった。

なぜなら、ルミネtheよしもとの公演はいつ行っても絶対に1組は知っている芸人が含まれているからだ。これは断言できる。

おそらく芸歴や現在の人気度を加味して決めていると思うのだが、そのバランスが本当にすごい。匠の技。

どうやって毎月スケジュール組んでるんだろ、マクロとか使ってるのかな。C28のセルに「タカアンドトシ」とか入ってたらおもしろいな。

 

 

休憩時間に「トゥトゥトゥサークル感動しましたね…!」と男性に伝えたところ、彼は初見だったとのこと。

決して知らないことが悪いわけではないのだが、誰かと一緒に観に来ているのに感動を分かち合えないことに何だかモヤモヤしてしまったのは事実である。

それが自分勝手な感情だとは重々承知だ。

 

 

それからしばらくの間、感動に浸っていた。

デートの楽しさよりも、トゥトゥトゥサークルを観られた感動の方が圧倒的に上回った。

翌日以降の仕事中も「私、トゥトゥトゥサークル観たんだ…」と、度々思い出しニヤニヤした。

好きな人のことを思い出し、クッションに顔を埋め大絶叫するのと同じ感じである。

My  first precious トゥトゥトゥサークル…love…dream…happiness…yeah…XD‼

 

 

みなさん気になっているかもしれませんが、男性とはその後何もありませんでしたのでこれ以上の話はないです。

強いて言うなら2回目のデートに誘われた時に「土日でダメな日教えてください」と言われ、エッ?!強行採決?!!?!思って「土日ほぼ空いてないんですよね〜」というクソな断り方をしてしまいました。

我ながらクソすぎたので、今でもすごい記憶に残ってます。

読者の皆様に余計な期待をさせてしまい、誠に申し訳ございません。(やかまし謝罪)

 

 

トゥトゥトゥサークルの魅力へ戻りましょう。

部員の秋山と馬場ちゃんがトゥトゥトゥのリズムの間に英語を挟めると言って自信満々に披露するのが、ほんとバカらしくて最高なんですよね。

「My friend Gasoline stand」とか悔しいけど笑っちゃう。

中学・高校のクラスでよく起こる悪ふざけの延長、これぞロバートの真骨頂だと思います。

 

 

私の聞き間違いでなければ「ザビーロ」みたいなことを言っている時があったのですが、「ザビーロ」ってなんかラテンの感じがしてすごい好きです。(ザビーロなんて言ってないかもしれないけど)

秋山の発音が良すぎて「and possible」を「エヌパソボ…?フランス語か…?」と疑問に思ってた時期もあるので、私の耳は信用なりません。日常的に聞き間違いも多いですし。

 

 

しかし幸せに浸っている時間は、そう長く続かなかった。

欲深さが出てきてしまい「もう一度劇場でトゥトゥトゥサークルが観たい」、そう思うようになっていた。

 

 

たまにTwitterで検索してみると「今日のルミネでトゥトゥトゥサークルやってた!」というツイートを結構な数見かけた。

ということは、手当たり次第観に行けばいつかまた遭遇できるのか…。

いや、でもトゥトゥトゥサークルのために全てを捧げるのは違う気がする。

あの日の喜びは「たまたま観に行った回でロバートがトゥトゥトゥサークルをやった」ということではないか。

次にトゥトゥトゥサークルを観られた日が私にとっての天赦日であり、一粒万倍日。

そんな吉日を欲に任せて、強引に引き寄せてはならない。罰当たりである。

 

 

私はそんな巡り合わせを待ち、長い旅を始めた。

 

 

その後、ロバートの出演日に観に行くことは度々あった。おそらく3~4年の間で10回は観ただろうか。

トゥトゥトゥサークルに巡り合うことはなかったが、数々の名作コントを生で観ることができた。

チョコレートプラネットがルミネtheよしもとでなんのコントやってもIKKOさんと和泉元彌のものまねやるのと一緒で、ロバートも高確率でコントの最後に秋山が梅宮辰夫やるんですよね。

それも悔しいけどいまだに笑っちゃう。もう伝統芸能

 

 

そして先日、いつものようにチュートリアル出演日の公演を観に行った。

私はとろサーモンハイキングウォーキングも好きで、なんとその日は2組も出演とのこと。

お目当ての芸人が一気に観られるとは思わなかったので、チケット代4,800円が激安に感じる。

そしてロバートの名前も書いてあったが、その時は「へぇ~ロバートも出るんだ~」くらいに思っていた。

 

 

2~3組終わったあたりだろうか、出囃子とともに舞台の左右にあるモニターに「ロバート」という文字が映し出される。

明転した瞬間、私の目に飛び込んできた「急募」の黄色いポスターと山本博…!!!

 

 

トゥトゥトゥサークルだ!!!!!

ロバート爆笑コント (トゥトゥトゥサークル) - YouTube

 

 

感動のあまり泣いてしまった。1人で。しかも最前列で。

やはり私の選択は間違っていなかった。この日のために私は自らトゥトゥトゥサークルを引き寄せる愚かな行為に走らなかった。神は私を見ていたのだ。

その日が仏滅だったら、大安に変えられるくらいのパワー持っちゃってると思う。

 

 

内容は何も変わっていません。

秋山扮する部長の名前が「飯塚」から本名の「秋山」に変わっているくらいで、幾度となく観たあのトゥトゥトゥサークルでした。

もうアラサー手前のいい大人ですので、子どもじみたことは言いません。

誰かと分かち合う必要なんてない、私の心の中にワールドカップで日本代表が優勝した時のスクランブル交差点くらいの熱狂がありました。

英語挟むところも秋山と馬場ちゃんが笑っちゃったりしてて、本当に楽しそうにやっているのが微笑ましかったです。

 

 

終盤に秋山と馬場ちゃんが歌うのですが、その歌詞で誰もが思いがけず感動するはずです。

 

 

 諦めずにほら 自分を信じて

 妥協を許さず道を歩む

 弱音吐かずに 生きてくその姿が

 何よりも 素敵さ

 (トゥトゥトゥサークル終盤より)

 

 

たぶん秋山はそんなつもりでこのネタを作っていないと思うのですが、私は大学受験の時にこの歌詞に励まされていた。

勉強中・試験前、心が折れそうな時に何度も唱えた。

途中から大幅に外れるが、トゥトゥトゥのリズムで始まるから何となく笑えて最適な緊張ほぐしだった。

今でも弱気になりそうな時は、この歌詞を思い出している。

勇気づけられるだけでなく、ちょっと笑えるというのが最大のポイントだ。

 

 

今のところまた観たいという強い気持ちは湧いてきていないが、いつかまた観られたらうれしいと思っている。

そんなことより、1人でも多くの人にトゥトゥトゥサークルの素晴らしさを広めていきたい。

そう、相手にヤバイ人だと思われない程度に。